田村昇士のブログ

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2014-01-16から1日間の記事一覧

芥川龍之介 一番気乗のする時

僕は一体冬はすきだから十一月十二月皆好きだ。好きといふのは、東京にゐると十二月頃の自然もいいし、また町の容子(ようす)もいい。自然の方のいいといふのは、かういふ風に僕は郊外に住んでゐるから余計(よけい)そんな感じがするのだが、十一月の末(…

芥川龍之介 イズムと云ふ語の意味次第

イズムを持つ必要があるかどうか。かう云ふ問題が出たのですが、実を云ふと、私(わたし)は生憎(あいにく)この問題に大分(だいぶ)関係のありさうな岩野泡鳴(いはのはうめい)氏の論文なるものを読んでゐません。だからそれに対する私の答も、幾分新潮…

芥川龍之介 遺書

僕等人間は一事件の為に容易に自殺などするものではない。僕は過去の生活の総決算の為に自殺するのである。しかしその中でも大事件だつたのは僕が二十九 歳の時に秀夫人と罪を犯したことである。僕は罪を犯したことに良心の呵責は感じてゐない。唯相手を選ば…

芥川龍之介 飯田蛇笏

或木曜日の晩、漱石先生の処へ遊びに行っていたら、何かの拍子に赤木桁平が頻(しきり)に 蛇笏を褒めはじめた。当時の僕は十七字などを並べたことのない人間だった。勿論蛇笏の名も知らなかった。が、そう云う偉い人を知らずにいるのは不本意だっ たから、…

芥川龍之介 案頭の書

二 魂胆色遊懐男 「魂胆色遊懐男(こんたんいろあそびふところをとこ)」はかの「豆男江戸見物(まめをとこえどけんぶつ)」のプロトタイプなり。予の家に蔵するは巻一、巻四の二冊なれども、大豆右衛門(まめゑもん)の冒険にはラブレエを想はしむるものな…

芥川龍之介 案頭の書

天は孝子に幸福を与へず。孝子に幸福を与へしものは何人(なんびと)かの遺失せる塩竹の子のみ。或は身を売れる一人(ひとり)娘のみ。作者の俗言を冷笑するも亦(また)悪辣(あくらつ)を極(きは)めたりと云ふべし。予(よ)はこの皮肉なる現実主義に多…

芥川龍之介 案頭の書

更に又「孝子黄金(こがね)の釜を掘り出し娘の事」を見よ。 「三八(さんぱち)といへる百姓は一人(ひとり)の母につかへて、至孝ならぶものなかりける。或年(あるとし)の霜月(しもつき)下旬の頃、母筍(たけのこ)を食(しよく)し度(たき)由(よし…

芥川龍之介 案頭の書

この話は珍しき話にあらず。鈴木正三(すずきしやうざう)の同一の怪談を発見し得べし。唯北(ほくせん)はこの話に現実主義的なる解釈を加へ、超自然を自然に翻訳(ほんやく)したり。そはこの話に止(とどま)らず、安珍(あんちん)清姫(きよひめ)の話…

芥川龍之介 案頭の書

「かのもの不敵(ふてき)のものなれば(中略)そのところををしへたまへ。のぞみをかなへまゐらせんと、あとにつきていそぎゆく。ほどなく兵右衛門が宅になれば、女の指図(さしづ)にまかせ、何かはしらず守り札ひきまくり捨てければ、女はよろこび戸をひ…

芥川龍之介 案頭の書

+目次 一 古今実物語 一 大阪の画工北(ほくせん)の著はせる古今実物語(ここんじつものがたり)と云ふ書あり。前後四巻、作者の筆に成れる画(さしゑ)を交(まじ)ふ。格別稀覯書(きかうしよ)にはあらざれども、聊(いささ)か風変(ふうがは)りの趣(…

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夜食 寝る前の歯磨きが済んでからものを食べる癖がついてしまった。 なので夜は歯磨きを二回しなければいけない。 朝昼に食べる量が少ないとこうなるのかもしれない。 夜食は大抵ポテトチップスかインスタント焼きそばである。 昨日はビールも飲んでしまった…